変形性腰痛症の患者様

腰を真っ直ぐにして歩けない!と訴えて来院された80代の方のケース

変形性腰痛症の為に、歩行時に痛みを訴える患者様の臨床動画です。背骨は、KENDALの姿勢分析という世界的な基準によって、おおきく4つのパターンに区別させます。横から見たカーブの形の違いによって、痛みや機能障害をおこしているポイントが違ってきます。

KENDALの姿勢分析

1 反り腰タイプ(ロードシス)               

胸椎(胸の骨)のカーブは正常だが腰椎(腰の骨)は過剰に前方に反っている。このタイプの方は腹筋がゆるんでいて、腰の筋肉が過剰に緊張しています

2 ネコ背 反り腰タイプ(カイホシスロドーシス )     

胸椎は過剰に後弯、腰椎は過剰に前弯 、骨盤も過剰に前傾。このタイプの方は胸の前方の筋肉が緊張して猫背になり、腹筋弱く腰の筋肉が過剰に緊張してます。

3 ネコ背 そり腰 でっ尻りタイプ(スウェイバック) 

胸椎は過剰に後弯 腰椎は下部で過剰に前弯 骨盤は後傾。 このタイプの方は胸の筋肉の緊張とモモの裏側の筋肉が硬くなり、骨盤が横から見て後ろにかたむきます。

4 平背タイプ(フラットバック)              

脊柱のカーフが消失していて全体的に直線になっている。  このタイプは背中の筋肉が全体的に弱く、モモの裏側の筋肉が硬くなり、横から見て後ろに傾きます。

このように、各姿勢によって過剰に緊張している筋肉と筋力が落ちている筋が異なります。映像の患者様はフラットバックタイプになり、背筋力が低下しています。背筋低下で姿勢をまっすぐに支えられない ために、背筋筋肉の中の内圧が高くなり、痛みをだしている状態です。

変形性腰痛症の原因は?

変形性腰痛症は加齢により腰の骨(腰椎)が変形を起こし神経を圧迫する事で痛みが発生すると医学的には考えられていますが、こちらの患者様のケースは本来お腹側に沿っている腰椎が逆側(背中側)に曲がった結果, 背骨を支えている筋肉 が身体のバランスをとる為に過緊張状態になり、筋肉の中の圧力が高くなり痛みを起こしているものと考えられます。

当院の施術法は?

加齢による腰痛の原因は腰だけの問題ではなく、全身の関節の固さや、筋力低下による身体を支持する機能の低下などの結果としておこります。こちらの患者様のケースでは骨盤が後ろに傾いているので、その調整をしながら、同時その状態を維持する為の筋力を強化し、身体を前方に運びやすくする為に、膝の関節の曲がりも調整しました。筋力の強化には患者様の努力も必要出すが、何歳になってからでも筋力はつきますので、継続して行うことが重要となります。
施術前の映像と比べて施術後は姿勢が良くなり、歩行スピードもあがり 「歩きやすい!」 とおっしゃってました。

施術効果を長持ちさせる為には柔軟性の確保と筋力トレーニングを行う事が必須になります