歪んでいるから痛い? 痛いから歪んでいる?

先月にみた患者様のケースです。24歳男性で主訴を右肩の痛みとシビレです、以前も同じようような症状があったそうですが、自然になおったそうです。 学生時代はテニスをやっていて社会人になっても週末はテニスを続けていたそうです、最近のコロナ騒動でテニススクールはお休みでお仕事も自宅待機で朝から夕方まで家でパソコンをしていたそうです。

身体全体を評価すると左肩に比べて右肩が下がっています     kata sagari.jpg                     
    
右肩周辺の筋肉を触診すると主訴である腕の痛みやシビレが再現されます、首由来のシビレも疑い、頚椎に負荷をかけるテストを行いましたが、シビレは再現されず、首由来のシビレの可能性は低くなりました。通常この状態だと「骨盤が歪んでいる」「背骨がずれている。」などの診断で施術が開始される事が多そうですが、はたしてこのケースは本当にそうでしょうか? 歪んでいるから痛いケースは確かにあります。 でも全てではありません。

この方のケースは普段は」テニスなどの運動の負荷で痛んでいた肩周辺の筋肉が、このナ騒動の自粛により運動機会が減り、痛んでいた右肩周囲の筋肉が軽い阻血状態になり筋肉の痛みが発生し、身体がその痛み(不快感)から逃げる為に疼痛回避姿勢をとった結果、右肩が下がっているものと考えられました。通常このような状態の筋肉中にはトリガーポイントという筋肉の過敏点が存在していて、押すと飛び上がるような痛みや、快痛を伴うような感覚が生じる事が多いのです。トリガーポイントは縦貫障害によって起きる阻血によって異常興奮して痛みを出すケースが臨床では多く認められます。

3回目の施術前の写真です。            kata modori.jpg

肩の高さは左右ほぼ対象になりました。 施術は全体の循環を改善させ、右肩周辺の筋肉の緊張をとり動きの悪い関節の可動性を増やす施術を行いました。この段階で不快だった右肩から腕のシビレが消失していたので、テニスが再開したら月1度程度の予防施術をお勧めして様子をみていただきました。

症状は歪んでいるから出るものばかりでなく、痛いから歪んでいるケースもあるんです!